というわけで、新製品もとい新規取扱いを始めた「MAPSTAR TruAngle」での周囲測量のレポートです。

TruAngle測定システム

TruAngleはデジタルエンコーダですので、”とある方向”から”とある方向”までの夾角しか計れません。そのため、その夾角から座標を算出するには前もって絶対的な基準を作ってあげたり、器械点を動かすたびに初期化が必要、とコンパス測量よりかなり面倒です。

この度とあるお客様の問い合わせをきっかけに、コンパス測量が当たり前となった今でもこんなニッチなお客様がいるんだ、ニッチなところはほっておけない!という超使命感を擁き、なんとか実用的に使えるよう弊社主力モバイル測量ソフトウェアGeoSketchの追加プラグインを開発しました。

MAPSTAR TruAngle デジタルエンコーダ

これがLTI社製デジタルエンコーダTruAngleです。

TruAngle測定システム全体

今回は取り付け金具の問題で同社製レーザー距離計Impulseを取り付けておりますが、TruPulseも取り付け可能です。

ちなみに上の写真は立派な三脚に載せておりますが、森林等軽量化が必要な状況に合わせて下のような構成でも販売予定しております。

軽量牛方三脚版
さて作業の方ですが、ひとまずはこちら(別ページ開きます)のページをご参照ください。測定は概ねこんな感じで、今回は既知点2つを事前に用意してリアルタイムに絶対座標で図形を見ながら進めていきます。

まずは既地点をふたつ作る必要があります。今回はHemisphereGNSS社のA325でVRS-RTKでサクッと2点を取りました。数cm誤差(実際安定させれば1cm以内が普通です)と高精度なRTKなので数m間隔で点を採りましたが、DGNSSなどより精度の甘い受信機で採る場合はできるだけ回転角の誤差を少なくするために50m以上離した方が良いでしょう。この2点間方向角精度が図面上で回転方向に利いてきます。参考までに1m誤差のDGNSS受信機で2点を取る場合相対的に最大2mの誤差を持ちますので2点間距離と角度誤差は以下のようになります。



  • 10m 6.3°

  • 20m 3.2°

  • 30m 2.1°

  • 40m 1.5°

  • 50m 1.2°

  • 100m 0.6°

  • 200m 0.3°

  • 500m 0.1°

  • 1000m 0.06°




直接図面に落としたときにどの程度まで許容できるかによりますが、素直にポン載せしたいなら30〜40mは取りたいところです。(まぁ実際のところは元図面にもそれなりに誤差があるので編集はあると思いますが)

既知点となる2点を測定

既地点2点のうちの一方を出発点として三脚を設置します。器械の水平を取ったら初めに行うのは「ゼロセット」です。エンコーダでの測量は、器械を動かしたら必ずゼロセットが必要です。もちろん器械を初めて据えた時も同様です。ちなみに「ゼロセット」とは器械を据えた場所から別の既地点に照準を合わせ「ここを角度ゼロとする」とエンコーダに設定することを言います。

現場で校正はしないのか、お思いのマニア様もいると思いますが、TruAngleは磁気を使っていないので現場での校正(キャリブレーション)は必要ありません。携帯電話など電子機器を胸ポケットに閉まっていてもまったく問題ありません。このあたりはコンパスよりも楽ですね。

ゼロセットが終わったら次の点を測量していきます。今回は周囲測量ですので、次の点を測ったらその点に器械を移動してさらに次の点を測量、という作業を繰り返します。1点毎に器械を動かすのでその都度ゼロセットが必要です。

ゼロセット画面

GeoSketch測定画面では移動毎のゼロセットを忘れないように考えられて画面が作られています。ゼロセットが必要な場面になると必ずゼロセットを促す画面が開きます。

と、こんな流れで各点を周って測量していきます。出発点に戻ってきたら「閉合」して、精度確認...

こんな路線になりました 初めてでこの高精度!!

精度1/1182!ま、路線超も短いのであれですが対応プラグイン開発後の初デモでこの精度です、慣れてくるともっと上がりそうです。コンパスではこうはいきません。高低誤差が大きいですが、これは器械高、目標高の調整を大まかにおこなったためです。マニアの方は高低も正しくやりましょう。

コンパス測量の精度に物足りないマニアの方、いかがでしょうか?もちろん磁場の安定しない街中や送電線下その他の場所、今までコンパスが使えない場所にも有効です。今後この精度を生かして安価で簡単な3Dマッピング方法についても記事にしようと思ってます、お楽しみに!